京都に行ったら…
春の川
山あいの雪も溶けて春の川は満々と水をたたえている。
そっと手をつければまだ水は冷たい。
こなし製の二つ折りに餡をはさみ、千筋を入れて流れを表すようぼかしに染めている。
この菓子は、春の水と呼ぶこともある。
(末富)
おぼろ饅頭
薯蕷饅頭の薄い外皮を取り去って、春の朧月に見たてている。
ふわふわとした海綿のような感じになった表面が、春の暖かさを感じさせる。
薄紅色にするのも春らしい。
(虎屋)
花筏
水面に散って流れ続く花を筏に見たてていう、名の響きも美しいもの。
紅に染めた求肥皮で桜の焼き印を散らしている。
筏形に組んだ盛りつけも一興であろう。
(川端道喜)
亀広保(京都)
亀広保は、大正四年(一九一五)、亀末広から分かれてあらたに構えられた店である。
京都に行ったら、家にある深蒸し茶に合いそうなものをよく買って帰る。